こんにちは!
名古屋市天白区の小児矯正専門歯科医院のほりえこども歯科クリニック 堀江将史です。
今日は「インビザラインで出っ歯を治す3つの方法」についてお話したいと思います。
早速3つの方法を書いていきます。
①下顎を前に出し、相対的に出っ歯では無くする
②上の歯を奥歯から順に後ろに動かし、最終的に前歯を下げる
③上顎の永久歯を抜歯してそのスペースに前歯をひっこめる
代表的なものは以上の3つです。
もちろん、それぞれ適応症があります。
この方法で治してください!と患者さんが決められるものではありません。
矯正治療前の歯並びの検査を元に、診断して治療方針を決定します。
①下顎を前に出し、相対的に出っ歯では無くする
実は出っ歯(専門用語では上顎前突といいます。)は多くの場合、上の顎が前に出ているわけではありません。
下の顎が後方に下がっている場合が多いのです。
つまり相対的に下の顎に比べて上の顎が出ているように見えるということです。
成長期は下顎の成長も盛んになります。
その際に下顎を前に出すような装置を用いることで出っ歯を改善します。
これを治す方法は2種類あります。
a:バイトウィング
バイオネーターやアクチベーターという昔ながらの機能的装置があります。
それを応用したものがバイトウィングというものです。
写真はコチラ
b:エラスティック
輪ゴムを下の奥歯から上の犬歯にかけてゴムで下顎を誘導します。
写真はコチラ
この方法の特徴は、成長期の矯正治療でしか有効でないということです。
成長期終了後ではこの下顎の前方誘導は難しいとされています。
つづいては・・・
②上の歯を奥歯から順に後ろに動かし、最終的に前歯を下げる
これを遠心移動といいます。お口の歯が並んでいる場所の後ろにスペースを生かす形です。
一番後ろの臼歯にスペースが残っていることが前提となります。
7番目の歯(第2大臼歯)を後ろにずらすことになるので親知らず(第3大臼歯)は抜歯することが望ましいです。
インビザラインはこの遠心移動が得意です。ワイヤー矯正では手間と時間がかかるこの処置をいとも簡単に行うことができます。
もちろんアンカレッジ(固定源)をしっかり確保すること、ステージングを工夫することが必要となります。
奥歯を後ろに移動させることで出っ歯になっている前歯を後ろに下げることができます。
この方法は順次、奥歯から始まり、最後に前歯を下げていくので比較的長期間の治療が必要になります。
最後は・・・
③上顎の永久歯を抜歯してそのスペースに前歯をひっこる
いわゆる抜歯矯正です。
抜いたスペースに前歯を引っ張っていき、出っ歯を治す方法です。
抜く歯の多くは前から4番目の歯(第一小臼歯)です。この歯は噛む力や顎の左右運動(側方運動とも言います)への関わりが少ないことから永久歯抜歯の第一候補に挙げられることが多いです。
ほかの方法に比べて前歯を下げられる量が多くなることがメリットです。
しかし、抜歯スペースに歯を寄せていくのでアンカレッジのコントロールが難しくなり、思いもよらない歯の移動が起きてしまうことがあります。
要は難易度が高いということです。
症例によっては治療期間が長くなったり、ワイヤー矯正を併用することがあります。
以上がインビザラインで出っ歯を治す3つの方法です!
ご参考になれば幸いです。
出っ歯は症状や患者さんの年齢によって治療方針が変わります。
先生とよく話し合って治療方針を決めていきましょう。
ほりえこども歯科クリニック
堀江将史