歯磨き
大人は当たり前のように一人で行う。
しかも多くの人が習慣化している。朝・晩の人もいれば晩だけの人も。
しかし子どもたち、特に乳幼児の子どもたちはまだ一人では磨けない。習慣化もしていない。
そこで仕上げ磨きが必要になるわけだが、幼い子を持つ親にとってこれがかなりの苦行になっているのではないか。
「上手に仕上げ磨きをさせてくれないんです。」
こんな悩み事をもって1歳~3歳の子を持つお母さんたちは当院に来院される。
お母さんたちに僕は聞く
「鬼の形相で仕上げ磨きをしていませんか?」
鬼が歯ブラシという金棒をもって、口に突っ込んで引っ掻き回したら、子どもでなくても嫌だ。
泣いたり、のけぞったり、逃げまどったり。
お母さんたちは我が子が虫歯にならないように歯を磨く。それはもう必死に磨く。
その必死さが子どもの歯磨き嫌いを作っていくのだと思う。
まずお母さんに知っておいていただきたいのは、
仕上げ磨きよりも効果的なむし歯予防の方法がたくさんある、ということである。
仕上げ磨きに効果がないというわけではないが、それよりも頑張ってほしいことがある。
フッ素の使用、間食(おやつ)のコントロールだ。
仕上げ磨きを完璧に出来ているからと言って虫歯予防が完璧なわけではない。
むしろこの時期に虫歯ができてしまうのには、この2つが大きく関わっている。
この2つに気を付けていれば仕上げ磨きはそこまで頑張らなくてもいいですよと僕は伝えるようにしている。
※その2つの各論はまたいつか書きます。
涙ながらの子どもを抑えつけて行う仕上げ磨きほど、親子にとって辛い時間はない。
そんな時間をなくすべく、これからは僕のやり方を紹介させていただく。
対象は10か月~2歳くらいの幼児に対して、だ。
①まずは歯ブラシを2つ準備
子どもは歯ブラシを持ちたがる。そして口に入れたがる。なのに仕上げ磨きは嫌がる。
自分の好きなようにやりたいのである。自我の芽生えなのだろうか。
なので、こども用の歯ブラシを準備する。仕上げ磨き用ももちろん準備。
②自分用歯ブラシを咥えさせる
自分で自分の咥える分には泣かないはずだ。
このときたくさん褒めてたくさん笑顔をふりまこう!子どもたちは褒められたり、大人が楽しそうにしているのが好きだ。
ちなみに僕はこの時よく頭をなでなでしている。「上手に歯磨きできているね」と。
最近、娘はそれを覚えて僕の頭もなでなでしてくれるようになった笑
③寝かせる
やはりゴロンはしてもらった方が良い。良く見えるからだ。この時羽交い絞めにしない。抑えつけない。
胡坐の上に頭をのっけて歌でも歌っていればいい。途中、逃げたら逃げたで追いかけてまた寝かせる。粘り強く、根気強く。
④ゴロンの時間が長くできるようになったら仕上げ磨きを始める
始めは、自分用の歯ブラシに手を添えるだけでいい。
慣れてきたら仕上げ磨き用の歯ブラシを下の前歯から縦にシャカシャカ。
口に突っ込む時間は最初は5秒くらいまで。ずっと口の中に入れ続けないように。
嫌がったらすぐに出してあげよう。寝返りをうったら無理に戻さない。
「休憩!」と割り切るのである。
この①~④を無理なく繰り返すのである。
始めのうちは④の時間は長くは続かない。しかしこれを続けていくうちに、④の時間は30秒、1分、2分と伸びてくる。
そうすれば涙の歯磨きは終焉を迎えるのである。
しかし、一つの例を聞いたからといって、いきなり全員の笑顔で仕上げ磨きができるようになるわけではない。
そのときはぜひ歯医者さんを利用してほしい。
歯医者さんで歯磨きを週に1回しにくる。そんな使い方をしていいのだ。
お母さんお父さんが全てを負う必要はない。僕たちに頼ってくれると僕たちも嬉しい。
ぜひそんなときは、天白区、小児歯科矯正歯科専門のほりえこども歯科クリニックまでお問い合わせください。
ほりえこども歯科クリニック
堀江将史