こんにちは!
名古屋市天白区の小児矯正専門歯科医院 ほりえこども歯科クリニックの堀江将史です。
今日はお口育てブログからは少し離れて、むし歯のお話をしたいと思います。
タイトルは「子どもの歯(乳歯)はむし歯になりやすいは本当だった!」です!
よく子どものむし歯は虫歯になりやすいだとか、進行が速いとか聞きますよね?
それは本当で、ちゃんとした理由があります。
それぞれ「なりやすさ」と「進行が速い」に分けて解説してみたいと思います。
まず「なりやすさ」について
そもそも、むし歯とは細菌によってつくられた酸によって歯が溶けている状態を言います。
歯は酸に溶けないように抵抗しますが、この抵抗力が乳歯と永久歯で違うと言われています。
その抵抗力を示す値に臨界pHという言葉があります。
小学校のころ理科でリトマス試験紙でpHを測りましたよね?臨界pHとは歯が溶け始める酸性度の事です。
永久歯は酸への抵抗力が強く、臨界pHは低い値を示します。おおよそpH5.5と言われています。
しかし乳歯の臨界pHは5.7~6.2であり、永久歯よりも酸に弱く、溶けやすいのです。
それゆえ、乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすいと言えるのです。
(ちなみに生えたての永久歯は臨界pHが高く、乳歯と同じくらいの抵抗力なので要注意です)
続いて「進行の速さ」について
これも結論からお話すると、乳歯は永久歯より虫歯が速く進むは本当です。
この進行の速さは乳歯と永久歯の構造の違いが大きく関わっています。
永久歯のエナメル質の厚さはおおよそ1~2mmあると言われています。
しかし乳歯のエナメル質の厚さは永久歯の半分です。
初期虫歯はエナメル質に限局しますが、放置するとあっという間に次の内層の象牙質に達します。
すなわち、歯の各層の厚みが薄いため、永久歯より乳歯の方がむし歯の進行が速いと言えるのです。
さらには乳歯は永久歯に比べてエナメル質の有機質含量が多く、結晶のサイズも小さいということもわかっています。
つまりは乳歯は永久歯よりも硬度が低いのです。
以上の事から子どもの歯(乳歯)はむし歯になりやすいということがわかっていただけたかと思います。
これらの特徴をご理解いただけたら後は、乳歯をどう守るかです。
まずフッ素で歯の抵抗力をあげましょう。
フッ素を含んだ歯は臨界pHが上昇し、むし歯に抵抗します。
また初期虫歯がある場合には早期に診断し、定期的な経過観察を行うことも必要となります。
先生の判断によっては大きな穴が開く前に、早期治療ということも考えます。
どちらにせよ、乳歯だからといってむし歯を放置するといった自己判断は禁物です。
歯医者さんでチェックを受けましょう!
ほりえこども歯科クリニック
堀江将史