こんにちは!久しぶりにブログを更新します。
名古屋市天白区の小児矯正専門歯科医院 ほりえこども歯科クリニックの堀江将史です。
今日は歯の外傷についてお話したいと思います。
歯の外傷とは、歯をぶつけるなど外部からの衝撃で歯やその周辺の組織に損傷を受けることを言います。
こどもたちはよくよく学校お友達とぶつかったり、転んだりして歯をぶつけてきます。
中には保健室の先生と血だらけで泣きながら来院する子もいます。
そんなこどもたちの外傷を診るときに気にかけていることが3つあります。
①歯やその周辺組織の状態はどうか
②こどもを安心させる
③お母さんを励ます
それぞれお話していきます。
①歯やその周辺組織の状態はどうか
これは歯科医師としてとても大切なことです。
ぶつけた経緯や、衝撃の程度を問診で聞き、歯やその周辺組織への影響を推察し、口の中を注意深く診察します。
中には歯が揺れていたり、すごい出血をしていたり、大泣きで見るだけでも大変だったり。
それでも必要であれば涙の中でもレントゲンを撮ったり、消毒をしたり、歯を固定したり、欠けた部分を治したり様々な処置を施します。細かい内容は症状により多岐に渡ります。
少しでも時間を短く、そして痛みのないように処置を行うように心がけています。
②こどもを安心させる
こどもたちはたいていは現場で涙を流して少し疲れた様子で来院します。
また歯が欠けたり、唇が腫れたり、血だらけになっていたりとても心配そうです。
そして自分の口がこれからどうなってしまうんだろうという不安そうな顔で来院します。
そんなこどもたちにはぼくは「大丈夫だよ、良くなるよ」と声をかけるようにしています。
もちろん歯が抜けてしまっていたりすると大丈夫ではないこともあるのですが、それを本人にはあまり伝えないようにしています。
自分がこどもだったころ病気になった時のことを思い出すと、病院の先生からの「大丈夫だよ」はぼくをとても安心させてくれたのを覚えています。
そんなことをこどもたちに伝えると少し元気になるような気がするのです。
③お母さんを励ます
お母さんが目を離した隙に、こどもが転んで歯をぶつけてしまうこともよくあります。
そのときお母さんたちは自責の念に駆られて涙を浮かべながら診療室にくる方もいます。
「私がちゃんと見ていなかったから・・・。」
ぼくも1歳8か月の娘をもってわかったのですが、こどもを四六時中きちんと見守り続けるのは難しいです。
いつのまにかいろんなところに上ったりジャンプしたり。ほんとうに目が離せません。
そんなお母さんたちに対してぼくは励ましの声をかけるようにしています。
「こどもの歯でよかったですね。生え変わりますもん。」
「唇は腫れちゃったけど、唇がクッションになって歯を守ってくれましたね。」
「上唇小帯は切れてもマイナスではないですよ。むしろ切れてよかったですね。」と。
もちろんその歯の予後(変色や早期脱落)はしっかり説明するようにしています。
しかし、動揺しているお母さんにそのメッセージはあまり届いていないこともあります。
それなら前向きな気持ちをお母さんに持ってほしいと考えています。
以上ぼくがこどもたちの外傷を診るときに気にかけていることが3つでした。
専門的な知識、診断、技術もとても大切です。しかし、それ以上にこどもたちやお母さんの心に寄り添った診療を続けていきたいと考えています。
ほりえこども歯科クリニック
堀江将史